研究調査

research study

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ラウンドアバウトの社会実装と普及促進に関する研究

プロジェクトリーダー:中村 英樹
年度:2014年, プロジェクトナンバー:h2645

背景と目的

IATSSにおけるこれまでのラウンドアバウトに関する取り組みが契機となり、平成24年度には飯田市東和町交差点において日本で初めて信号交差点のラウンドアバウト化が実現した。これらは国の政策に対しても少なからぬ影響を与えることとなり、これまで軽井沢町や焼津市、守山市におけるラウンドアバウト社会実験の実施にもつながっている。またH25年の道路交通法一部改正では、ラウンドアバウトが「環状交差点」として正式に位置づけられ、H26年内の同法施行が待たれている。これらの状況を受けて、須坂市、安曇野市、小山町、糸満市などにおいて、ラウンドアバウト導入の準備も本格的に動き出している。H26年1月には、IATSSが共催して「ラウンドアバウトサミット」を飯田市で実施し、北海道から沖縄までの全国各地から230名の参加者を集め大きな反響を呼ぶとともに、7自治体の首長らによる「ラウンドアバウト普及促進協議会」の設置につながることとなった。
このように、IATSSにおけるラウンドアバウトに関する取り組みは、もはや一握りの集団だけのものではなく、全国各地の行政関係者や技術者、周辺住民など、社会に対して広く裾野を拡げたものとして、安全安心な地域づくりに欠かせないものとなってきている。このような取り組みを絶やすことなく、適切な技術の普及に努めていく必要がある一方で、これまでの各地における技術的参画の成果としてデータや経験も一通り集積しつつあり、本年秋に予定されている道路交通法の施行を一区切りとして、これまでの蓄積を整理して取りまとめることが必要であると考えられる。そこで本研究は、全国で計画中のラウンドアバウト化や社会実験に関して技術的参画を行うことで、日本での適切な普及を促進するとともに、これらを含めてこれまでに得られた知見と経験を整理して、体系的に取りまとめることを目的とする。

期待される成果

(1) 各地におけるラウンドアバウト計画への技術的参画による事例データ収集と普及促進活動
現在IATSS研究会に対して技術的支援要請のある、各地におけるラウンドアバウトの具体的計画・設計に際して技術的参画と意見交換を継続的に行い、データと経験の蓄積を図ることで(2)の目的に活用する。そして、各地でセミナーを開催するなどにより、適切なラウンドアバウトの普及促進活動、交通安全教育活動を展開することで、IATSSによる研究成果を広く発信する。
(2) 日本におけるラウンドアバウトの計画・設計・運用に関する知見のとりまとめ
これまでの社会実験やラウンドアバウト化によって蓄積された交通利用者挙動、利用者アンケート調査データ等、ならびに蓄積された経験を整理することによって、日本におけるラウンドアバウトの計画・設計・運用に関する知見や経験をとりまとめる。具体的には、技術指針や事例集の草稿作成作業を行う。

成果物

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