研究調査

research study

Share
facebookxhatenapocket

ラウンドアバウトの社会実装と普及促進に関する研究

プロジェクトリーダー:中村 英樹
年度:2012年, プロジェクトナンバー:h2420

背景と目的

平成21~23年度に実施した「安全でエコなラウンドアバウトの実用展開に関する研究」で取り組んできた各種社会実験による実証や提案の成果として、ついに平成24年度中に飯田市東和町交差点において信号交差点のラウンドアバウト化が行われることに決定した(H24。2。29飯田市長記者発表)。これは、信号機を撤去して交差点の形状をラウンドアバウトに変更するという、日本初の画期的な取り組みとして、極めて貴重な事例となる。当該交差点において信号交差点からラウンドアバウトに変更する前後における各種データを収集・分析するとともに、改良時の経験を蓄積していくことが、災害に強く、安全でエコなラウンドアバウトを今後日本において適所において導入していくに際して、いかに重要な情報となるかは論を待たない。
また、これまでのIATSSにおける取り組みの成果として、日本におけるラウンドアバウトの認知度が確実に向上してきた。特に東日本大震災以降は、災害に強い交差点としてもラウンドアバウトの意義が注目されている。また、国内20万基に及ぶ信号機の維持管理は予算的にもままならない状況となっており、新たな交差点形態としてラウンドアバウトの導入が積極的に検討されるようになった。このように、国や全国各地の自治体におけるラウンドアバウトの導入機運が大きく高まっているが、ラウンドアバウトの適切な導入を図るためには、これまでの技術的知見と併せて上記交差点における実績データや経験についての情報提供を行いつつ、普及促進活動を行い、各地で複数の事例を積み上げていく必要がある。
そこで本研究は、飯田市東和町信号交差点のラウンドアバウト化に際しての、事前・事後の利用者挙動データを収集・分析し、実証データの蓄積を図るとともに、施工に際しての各種調整事項や技術的経験について整理する。また、被災地をはじめとする全国各地においてラウンドアバウトの普及促進活動を行い、具体的計画の提案を行う。

期待される成果

①飯田市東和町信号交差点のラウンドアバウト化事前事後調査
 H24年度早々に改良工事開始、年度内に完成予定であるため、年度内に事前・施工中・事後の交通実態調査を行い、利用者挙動データを収集・比較分析する。
②各地におけるラウンドアバウト普及促進活動の展開
 全国各地で勉強会を開催し、行政担当者や市民との地道な意見交換を通じて正しい認知を図るとともに、候補交差点における計画・設計・交通運用の提案を行う。
③ラウンドアバウトに関するわかりやすい概要資料の作成
 上記の活動を進めていくに際して、ラウンドアバウトの適用条件などの特徴を分かりやすく解説した概要資料を用意して自治体や住民に情報提供を行うことが必要となる。これについては、警察庁・国土交通省でも検討がはじめられており、この取り組みと連携を図りながら技術的事項についてわかりやすい資料として取りまとめる。

成果物

同テーマの研究調査

一覧へ戻る