研究調査

research study

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タイにおける交通安全施策の展開方策の検討

プロジェクトリーダー:福田 敦
年度:2007年, プロジェクトナンバー:H964

背景と目的

H857「タイにおける交通安全施策推進のための支援方策の検討」では、日本で実施されているヒヤリ地図ワークショップを活用した交通事故危険地点の抽出と交通安全普及活動が、交通事故の増加が大きな社会問題となっているタイにおける交通安全施策を推進する上で有用であると考え、その可能性を、複数のコミュニティー、大学キャンパス、学校教育の場において検証するとともに、ワークショップの自主的な実施を可能とするための現地語によるヒヤリ地図づくりマニュアルやGISを活用したデータベースシステムなどの作成を行った。
本研究では、これらの成果を受け、ヒヤリ地図づくりのワークショップを広くタイで普及し、活用するための方策を、これまでの参加者を中心に懇談会を開催して検討する。また、その結果に基づいてヒヤリ地図づくりワークショップモデルを作成する。さらに、得られた交通事故危険地点における問題を診断する方法を検討し、これらを、GISを活用したデータベースに組み込んで活用する方法を提案する。以上による、交通安全施策の展開方策を検討する

期待される成果

・ ヒヤリ地図づくりの現地における普及活動の継続: 有効と考えられる学校教育の場や他の地方都市コミュニティーでのヒヤリ地図づくりワークショップを継続して実施する。
・ ヒヤリ地図づくり懇談会の開催: これまで実施したヒヤリ地図づくりワークショップの参加者、オブザーバーなどを集めた懇談会を現地で開催し、それぞれの経験を共有化するとともに、現地で自主的にヒヤリ地図づくりワークショップを行っていく場合のアイデアや課題を整理する。また、得られたデータの活用のあり方や交通安全普及活動のあり方についても議論する。
・ ヒヤリ地図づくりワークショップによる交通安全意識向上への影響の分析: 継続的なワークショップの実施、懇談会の開催を通じて、各参加者やコミュニティー全体としての交通安全意識の変化を追跡調査し、交通安全意識向上への影響を分析する。
・ ヒヤリ地図づくりワークショップモデルの作成: 平成18年度に作成したヒヤリ地図づくりマニュアルやデータベースシステム、および上記懇談会で得られた知見を生かして、現地に即したヒヤリ地図づくりワークショップモデルを作成する。
・ 抽出した危険地点の診断方法の提案: 抽出した交通事故危険箇所と実際に交通事故が発生している地点との関連を分析し、ヒヤリ地図づくりワークショップで得られるデータの有効性についての知見を深めると同時に、日本における経験を生かして問題点を発見するための診断方法を提案する。
・ GISデータベースシステムの改善: 平成18年度に作成したデータベースシステムに、抽出した危険地点の実態を把握し、改善策を説明するための全天型写真やシミュレーション画像を表示する機能などを付加し、より有用なものとする。

成果物

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