research study
市民参加型交通安全対策・評価システムの実用化に関する研究開発
背景と目的
平成12~14 年度にわたり、自治体向けの交通安全対策支援システムを開発し、それを千葉県鎌ヶ谷市に適用した社会実験を実施し、交通安全対策への住民参加等の可能性、住民の安全に対する意識変化等の検証を行った。さらに、安全対策の事後評価、市民参加モデルの本格導入のための検討を行った。さらに、救急救命活動を支援する方策の検討に着手した。平成15 年度からは新しいテーマ名で新規発足し、適用対象をコミュニティー単位に発展させ、対象地区住民の参加になるWS、実地調査、実地実験等を中心とした多様な形態の対話に基づき、面的な交通安全対策を検討してきた。平成16 年度には、面的な対策の実施と事後評価を行った。
平成17 年度には、交通事故対策を実施するための運用技術を含む汎用的プログラムの構築と適用方法を確立し、自治体等のより多くの交通安全対策当局に普及させるために、鎌ヶ谷市に加えて隣接する自治体に支援システムの移植・適用拡大を目指す。そのために、本システムを活用した住民参加過程に関して当該プロジェクトが蓄積してきたノウハウを、行政担当者・実務者向けに伝授する教育プログラムを試行する。加えて、鎌ヶ谷市における3 年間にわたる実施対策の効果評価結果を、事前評価に組み込む。
期待される成果
①広域への展開
平成12 年度より鎌ヶ谷市において適用・蓄積されてきた支援システムを活用した住民参加過程に関するノウハウをワークフローとして総括し、行政担当者・実務者向け教育プログラムを企画する。さらに、鎌ヶ谷市に隣接する自治体である市川市等にシステムを移植し、教育プログラムを試行する。
②広報用パンフレットの作成
平成16 年度作成の「概念編」に続き「実践編」を作成し、支援システムの構成、機能、実務への活用方法、活用例等を、交通安全対策実務者向けに簡潔に紹介する。
③対策支援システムの拡充
鎌ヶ谷市における3 年間にわたる実施対策の効果評価結果に基づいて対策の事前評価モデルを構築するとともに、市民の主観評価結果との比較等による定量的評価結果の重み付け等の修正を行う。
④救命救急活動への支援方策の検討
救急自動車の運行状況のデータベース化と、それを活用した救急自動車の運行管理支援方法について検討する。