研究調査

research study

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≪国際連携≫二輪車文化を活かし安全を基本としたASEAN地域の持続可能な交通まちづくりの提案 ?タイの交通死亡事故多発都市を中心に?

プロジェクトリーダー:土井 健司
年度:2019年, プロジェクトナンバー:1941

背景と目的

初年度(平成30年度)は、交通死亡事故が多発するタイの中でも最も交通事故死亡率の高いプーケットに注目し、事故データの収集、事故発生状況の空間的な可視化、現地で着用されているヘルメットの安全性の検証および自動二輪から公共交通や パラトランジットへの利用転換を促すためのMaaSアプリの開発などを実施した。また、web上での意識調査に基づき、自動二輪利用率の高い国・地域においては、二輪利用者は交通弱者(vulnerable traffic user)と位置付けられており、この弱者としての認識が自動二輪への規制を遅らせ、自動二輪絡みの事故が全事故の約8割を占める特異な状況を生むとの、交通文化に関わる課題を明らかにした。
平成31年度は、これらの取り組みに加え現地での常時ビデオ観測を実施し、自動二輪の利用実態の把握および運転挙動の詳細分析を行った上で、自動二輪の安全利用を促すための情報提供のあり方をハードおよびソフト両面から検討する。また、台湾の事例・知見を参考にしながら、機動性の高い反面、安全上の課題の多い二輪交通を道路空間や都市空間にどのように位置づけ活用するかを、交通まちづくりの観点から検討することを目的とする。

期待される成果

今後、ASEAN地域において過度な自動車依存の進行を抑制し、安全かつ持続可能な交通まちづくりを推進する上では、公共交通のみならずパラトランジットや二輪交通の安全性を改善した上で、都市交通体系に積極的に組み込んでいくことが望まれる。本プロジェクトの実施により、自動二輪を今後の都市交通体系の中に組み込んでいくためのハーモナイズド・ストリート(harmonized street)のガイドラインの示すことが期待できる。
 また、日本・タイ・台湾の専門家が連携することにより、自動二輪先進地域である台湾の事例を参考に、二輪ITS等を活用しつつ、現地に即した事故防止対策案の案出と実装が期待される。

成果物

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