研究調査
research study
危険運転致死傷罪の学際的研究
プロジェクトリーダー:今井 猛嘉
年度:2012年, プロジェクトナンバー:H2418
背景と目的
危険運転致死傷罪は、今や、道路交通の安全確保にとって不可欠のツールとなっており、同罪が対象事案に対して公平に適用されることが、より強く要請されるに至っている。そこで、同罪の基礎となる医学的理解を踏まえつつ、同罪の適用により醸成される規範意識に関する法社会学、産業社会学ならびに法心理学的分析を継続する。そして、同罪の改正ないし同罪の適用に有益な技術的手段の提言を試みる。
期待される成果
・医学的検討→同罪の構成要件である「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態」を、最新の医学的知見から検討する。
・医学的検討→同罪に該当するかが常に問題となる、持病から誘発された居眠り運転につき、その発生の機序、防止対策等を、最新の医学的見地から検討する。
・社会学的検討→アルコール又は薬物の影響があることを、多少なりとも認識しつつも、自動車の運転がなされてしまう社会学的背景を、アンケート調査を通じて分析する。
・心理学的検討→危険運転致死傷罪の存在、その適用状況(法執行の現状)に関する一般市民の心理を、正義論をも踏まえつつ、調査し、分析する。
・法学的検討→危険運転致死傷罪の構成要件において欠けている点、改善が望まれる点につき、比較法的知見を踏まえて検討する。