research study
電動モビリティ混在下の安全快適な道路環境整備に関する研究
背景と目的
電動キックボード、座り乗りの超小型モビリティなど、様々な電動モビリティが開発され、安全快適な交通社会を実現するための次世代モビリティとしての普及が期待されている。しかし、わが国では新たなモビリティに対する受容性、既存モビリティとの混在により生じ得る歩道・車道上の安全性への問題、法的な整備や通行空間の議論など検討すべき課題が山積する。 本研究では、電動モビリティの普及が進む欧米諸国を対象とした調査を行い、上記モビリティをわが国に導入する際にクリアすべき障壁を明らかにする。また、各種電動モビリティ混在下の歩道、車道空間における利用者心理、挙動、他者とのコンフリクトを分析し、わが国において複数主体 が安心して利用できる歩道および車道空間整備のあり方について検討す る。
期待される成果
わが国において安全・安心な交通社会を実現するには真に必要な道路インフラを見極め、空間の再構築を進める必要がある。その際、各種電動モビリティも大きな役割を担うことが期待される。しかし、現状、道路空間におけるこれらモビリティの位置づけが明確でなく、また既存モビリティとの混在により生じる影響やクリアすべき障壁が明確になっていない。 そのため、本研究では、1. 先進的な取り組みを有する欧州の行政や研 究機関への調査を行い、国内外の研究者や実務者と議論を深める。これにより、電動モビリティ導入にかかる法制度、インフラ整備の問題点や課題解決方策を明らかにする。また、2. 構内実験を行い、歩道、車道上での電動モビリティの混在による他者への影響を評価する。さらに、3. 国際比較アンケートや国内の自治体アンケートを実施する。2、3 より、電動モビリティに対する社会の受容性の現状を把握し、今後の安全な道路空間整備の方向性や電動モビリティシステムを社会実装するための要件につ いて議論ができる。その結果を踏まえて、4. 国内外でのワークショップを開催することで、誰もが安全快適に利用できる電動モビリティのあり方や社会実装についての方向性を具体的に提示することができるといえる。
成果物
- 報告書
- 1-2 人乗りの小型電動モビリティサービスに対する自治体の意識調査分析
- フリーフロート型シェアリングサービスと路上駐車の法的課題
- Discomfort in pedestrian electric scooter interactions during frontal approaches