research study
小型電動モビリティの受容性,安全性向上に向けた環境整備に関する国際比較研究
背景と目的
安全快適な交通の実現のため、電動キックボード、座り乗りの超小型モビリティな ど、様々な小型電動モビリティの普及展開が期待されている。2208C プロジェクト (先行研究)では、利用者の意識・挙動、法制度、自治体の立場から主に電動キック ボードを対象として歩道・車道上で生じ得る課題整理を進めてきた。 本研究では、先行研究の検討をさらに深め、1-2 人乗りの小型電動モビリティを対 象として社会的受容性、安全性向上に向けた環境整備に関する研究を行う。そのため に、国際比較アンケート、海外実務者へのヒアリングを通じて、わが国の道路構造上 の課題を明らかにする、また、歩行者、自転車、自動車との共存、分離の条件につい て挙動分析に基づいた検討を進め、安全な歩道、車道空間の提案を行う。
期待される成果
歩道・車道利用を想定した 1-2 人乗りの小型電動モビリティを対象とした社会的 受容性、安全な環境整備に関するアンケートやヒアリング調査により、諸外国の実績 を踏まえた検討を行う。具体的には利用者、社会の受容性を評価する統計モデルを構 築することで、わが国の歩道、車道上で起こり得る課題に対して効果的な解決策を提 示することができる。この点において先見性があるといえる。また、歩行者、自転車、 自動車との共存、分離の方向性について、VR 調査に基づき、モビリティ 1 台に対す る複数利用者とのすれ違い、背面からの追い越しを再現評価するなど、現実の混在状 況下で起こり得る課題を明らかにし、海外での観測調査に基づいた現実に生じている 交通問題や安全対策を考慮することで、さまざまな利用者に受容される安全な歩道、 車道空間の具体的条件、特に望ましい自転車通行空間の整備形態を提案する。この点 で実際性のある研究といえる。