研究調査

research study

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≪行政・団体連携≫中山間エリアの高校通学における交通課題の解決と教育的効果の測定

プロジェクトリーダー:北村 友人
年度:2021年, プロジェクトナンバー:2105a

背景と目的

大阪府立豊中高等学校・能勢分校は、中山間エリアに位置する学校であ るが、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定される など、グローバルな視点から様々な教育活動に取り組んでおり、地域での進 学希望者も多い。しかし、同校の課題として、「通学課題」が挙げられ、近 年では進学希望者が通学を理由に入学を断念するなど、入学者の減少・ 定員割れが続いている。現在、徒歩や路線バス、自動車での送迎といった 通学手段があるが、それ以外は自転車通学が最終的な手段となっている。 ただし、自転車通学においては、安全面で中山間エリア特有の多くの課題 を抱えている。今回、高校生に e-bike など新たな交通手段を提供すること で、交通のあり方の学習支援により課題解決力の向上を目指すとともに、 地域課題全体の解決への展開を図る。

期待される成果

交通課題に関する調査と教育的効果の測定を実施することで、交通課題 を解決するための方策を提示することが期待できる。また、高校生中心の取 組が、「能勢の高校を応援する会」など地域住民の課題意識向上につなが り、交通安全に対する意識が向上するとともに、他地域でも応用可能なモ デルの開発が期待できる。 ○工学的アプローチのもと、以下のような課題について調査を高校生たちと 一緒に行い、いかなる解決方法が見込めるかを検討する。 ?通学路の街灯未整備(通学路の大部分には、街灯が整備されていな い) ?トンネルの走行(山岳地域でトンネルが多く、自動車とのすれ違い時に危 険) ?路面の整備不足(路面の凹凸が激しく、安全な走行に妨げ) ?野生動物との遭遇(鹿、イノシシなどとの接触事故の可能性が懸念) ・自然災害への対応(これまでにも、土砂災害や雪・凍結などでバスが不 通となり、学校が休校になってきた) ○教育的効果の測定 ? e-bike の貸出やそれに基づく気付きなど、体験と学習を行うことの教育的 効果を検証、測定する(アンケート等によって、プロジェクト前後での「知 識」「技能」「価値観・態度・意識」などの変容を評価する)。 ・アクション・リサーチ的アプローチを導入し、「持続可能な開発のための教育 (ESD)」が目指している市民性の育成に関する効果を検証する。

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