研究調査

research study

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中心・周辺視野の脳部位の同定と交通安全への適用に関する研究

プロジェクトリーダー:呉 景龍
年度:2007年, プロジェクトナンバー:H961

背景と目的

交通環境においては、人間の視野特性が重要になる状況が多くある。例えば交差点では運転者(歩行者)が周辺視野に出現する歩行者(車両)に対して適切な認知判断を行なう必要がある。このように広い視野範囲(中心・周辺視野:広視野)での認知特性に関する研究は交通安全の実現に強く要求されている課題といえる。本研究では、広視野特性の心理・生理学的特性を解明するために認知心理学測定とfMRI実験を行なう。さらに、周辺視野特性と交通事故について調査研究して、得られた成果の交通安全への適用を検討する。

期待される成果

平成18年度は(1)fMRIを用いて視野角120°までの視野を皮質拡大率などの指標を用い定量的に評価することに成功した。その結果、周辺視野の脳内表象が中心視野に比べて著しく縮小していることを明らかにした。(2)ゴールドマン視野計の自動化改造を行い、動体視野の速度依存性と加齢効果を測定した。その結果、加齢効果及び速度に依存した視野面積の減少を定量的に評価できた。この成果をもとに、本年度は以下の研究を進める。
(1)関連国際研究グループの研究状況を調査しfMRI実験による中心・周辺視野の機能的差異の検証。広視野刺激呈示装置を改良し、中心と周辺視野の時間周波数応答など視覚パラメータ依存性を計測する。
(2)広視野特性の認知心理学実験。計測装置の光源部分を改造し、動体視野の色・明るさ依存性を定量的に計測する。さらにその加齢効果も検討する。(3)広視野特性と交通安全についての調査検討
ドライバーの周辺視野特性と交通事故について調査研究し、得られた基礎研究成果の交通安全への適用を検討する。

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