研究調査

research study

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視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)の適正化に関する総合的研究

プロジェクトリーダー:徳田 克己
年度:2006年, プロジェクトナンバー:H859

背景と目的

視覚障害者誘導用ブロック、通称点字ブロックは1965年に日本で考案された。以来、日本国内はもとより、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、台湾、香港、中国等に輸出され、今や欧米にも設置されている。設置数が増えていることは喜ばしいことであるが、敷設方法や敷設ルールが徹底されないまま世界に広がったために、「危険な設置」「他の障害者のバリアとなっている設置」「無駄な設置」「許容できないローカルルール」などが世界中に存在するに至っている(日本が間違った設置方法を輸出していると言える)。現在は視覚障害者が点字ブロックを頼って歩きにくい状況もあり、事故や迷いなどの原因になっている。そのため、障害者から不適切な設置に対する緊急の改善が求められている。
 本研究では、点字ブロックの敷設の誤りの実態を精査し、個々の誤りについて視覚障害者の意見を聴取した上で点字ブロック敷設の基準を作成し、それらをマニュアルにまとめ、日本の点字ブロック関係機関(政府機関、自治体、福祉団体、施工会社等)や輸出国の関係機関に配布したい。

期待される成果

本研究は、これまでIATSSのプロジェクトで行ってきた一連のバリアフリー研究で明確になった問題点の解決を目指した研究である。基本的なデータはこれまでの研究で得られており、本研究のフィールドワークでのデータ収集はそれらを補完するためのものである。
1。 日本国内の点字ブロックの誤り箇所発見のためのフィールドワークを行う。具体的には、人口集中地の主要駅、主要空港、県庁・市役所・郵便局。大病院等の公共的機関とその周辺を調査する。
2。 点字ブロックが設置されている海外の設置状況調査を行う。第一次調査として、インターネットで設置状況を調べる。また、設置されていた国に居住経験のある視覚障害者へのヒアリング調査を行い、それらの結果として、誤った設置がされており、それが非常に危険であると判断された箇所に対する実地調査を行う。
3。 1と2において発見された誤り箇所がなぜ危険であるか、またその改善策について視覚障害者参加の評価実験を行う。
4。 点字ブロックの設置方法の基準を作り、現実場面での適正な設置例と誤りの例とその改善方法、誤敷設の予防方法などをわかりやすくまとめたマニュアルを作成し、配布する。

成果物

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