研究調査

research study

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性能照査型道路設計のための交通容量・サービス水準に関する研究

プロジェクトリーダー:中村 英樹
年度:2006年, プロジェクトナンバー:H853

背景と目的

厳しい財政制約など様々な社会環境の変化の中で、コスト・パフォーマンスの高い新しい道路構造と、既存道路の活用が問われている。日本の道路の現状を鑑みると、幾何構造や交通運用に工夫を施すことで、安全性を損なうことなく円滑性を向上可能な余地が未だかなり残されていると考えられる。例えば、多車線道路においては、横断面全体の大きさを変えずに車線幅員など横断面構成要素を再配分することによって、部分的な車線増を図ってボトルネックを解消したり、街路の場合には歩行者や自転車のための空間を確保したりすることが可能である。一方、日本の大部分の国道など都市間道路は往復2車線であるが、この場合は一般に追越が困難なため、如何にして所要のサービス水準を確保するかがポイントとなる。
上記のような柔軟な車線運用や適切な道路設計を行い、道路のパフォーマンスを確保するためには、多車線・2車線いずれの道路についても、各道路の機能分担に応じて実現する交通流の性能目標値としてのサービス水準を定め、これを実現して行くような性能照査型道路設計手法の導入が必要である。そこで本研究では、多車線道路・往復2車線道路の単路部を対象とし、実測データを収集・分析することによって、車線幅員・側方余裕などの道路構造、ならびに沿道条件、利用者特性などが交通容量や実勢速度に与える影響の精査を行い、各種条件下で実現する交通容量・サービス水準を明らかにすることを目的とする。また、サービス水準指標の選定および定量化については、交通工学的観点からのみならず、利用者の認識を的確に反映しうるものについて学際的に検討を行う。

期待される成果

1.海外文献サーベイ
・海外における実務報告書・研究文献・設計マニュアル類をサーベイすることにより、道路条件・交通条件・その他外的条件等がの交通容量・サービス水準に与える影響についての既往の取り扱いについてレビューを行う。
2.多車線道路の幾何構造要素がサービス水準に与える影響に関する分析
・ 般道路・自動車専用道路の狭小幅員区間における交通流解析とサービス水準、安全性の検討
・利用者の交通状態評価に関する検討
3.往復2車線道路のサービス水準指標に関する検討
・車両感知器生パルスデータを用いた車群形成状況に関する分析
・利用者認識を反映したサービス水準指標に関する検討
・追越機会とサービス水準の関連分析
4.街路におけるサービス水準に関する分析
・信号交差点を含む道路区間の旅行時間の推定
・路上駐車・沿道施設アクセスによる交通流への影響の定量化

成果物

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