研究調査

research study

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性能照査型道路設計のための交通容量・サービス水準に関する研究

プロジェクトリーダー:中村 英樹
年度:2005年, プロジェクトナンバー:H744

背景と目的

厳しい財政制約など様々な社会環境の変化の中で、コスト・パフォーマンスの高い新しい道路構造と、既存道路の活用が問われている。日本の道路の現状を鑑みると、幾何構造や交通運用に工夫を施すことで、安全性を損なうことなく円滑性を向上可能な余地が未だかなり残されていると考えられる。例えば、多車線道路においては、横断面全体の大きさを変えずに車線幅員など横断面構成要素を再配分することによって、部分的な車線増を図ってボトルネックを解消したり、街路の場合には歩行者や自転車のための空間を確保したりすることが可能である。一方、日本の大部分の国道など都市間道路は往復2車線であるが、この場合は一般に追越が困難なため、如何にして所要のサービス水準を確保するかがポイントとなる。
上記のような柔軟な車線運用や適切な道路設計を行い、道路のパフォーマンスを確保するためには、多車線・2車線いずれの道路についても、各道路の機能分担に応じて実現する交通流の性能目標値としてのサービス水準を定め、これを実現して行くような性能照査型道路設計手法の導入が必要である。そこで本研究では、多車線道路・往復2車線道路の単路部を対象とし、実測データを収集・分析することによって、車線幅員・側方余裕などの道路構造、ならびに沿道条件、利用者特性などが交通容量や実勢速度に与える影響の精査を行い、各種条件下で実現する交通容量とサービス水準の関係を明らかにすることを目的とする。

期待される成果

1.多車線道路の交通容量とその影響要因に関する分析
・ 実務報告書および海外文献サーベイ
・ 欧州幅員狭小運用・動的車線運用実態調査
・ 車両感知器データを用いた交通流特性の分析

2.多車線道路の幾何構造要素がサービス水準に与える影響に関する分析
・ 一般道路・自動車専用道路の狭小幅員区間における交通流解析とサービス水準、安全性の検討
・ 利用者の交通状態評価に関する検討

3.往復2車線道路の追越機会と交通容量の関連分析
・ 追越機会と交通容量の関係に関する分析
・ 車線規制データの分析による片側1車線区間における交通容量影響要因の定量化

4.往復2車線道路の追越機会とサービス水準指標に関する検討
・ 追越機会と車群形成状況に関する分析
・ 利用者認識を反映したサービス水準指標に関する検討

成果物

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