research study
≪国際発表≫「天下の公道」と生活道路に関する研究 ~ソフトライジングボラードの実用化に向けた運用上の課題とその解決方法~
背景と目的
本研究は3年度目である。H24年度には、「ソフトライジングボラード」の提案・開発を行った。事故の危険性および緊急時の対応を考慮して考案したものである。H25年度には、ソフトライジングボラードのシステム構成を完成させるとともに、新潟市ふるまちモールにおいて、全国初(ソフトとしては世界初)の公道社会実験を実施した。
それらの成果を踏まえ、H26年度には、次の目的で研究を継続したい。
① ライジングボラードの長期的効果の把握
② 他の交通条件への適用性:ふるまちモールは、入り口交差点からの進入が左折のみであるなど、比較的条件に恵まれていた。今年度は、他の条件下での導入可能性を検討する。あわせて、通学路などへの適用性も検討する。
③ ボラード周辺の設えの検討:ボラード前後の道路デザインなど、トータルなしつらえについて検討し、いずれ必要になる「導入ガイドライン」のベースづくりを行う。
④ 欧州諸国の導入都市とのディスカッションおよびヒアリング
・フランスドイツの政府系研究機関へのヒアリング(特に運用上の課題等)
・ドイツの「道路指定」とライジングボラード
期待される成果
① ライジングボラードの長期的効果の把握:新潟ふるまちモールが本格実施に至った場合、長期的効果の把握を行う
② 他の交通条件への適用性:H26年度にソフトライジングボラードの導入を検討中の都市が国内に4都市存在することから(うち2都市はすでに予算確保済み)、そのうち、本研究会の趣旨と合致する2か所と連携し、社会実験時に調査を実施する。調査項目は、ほぼH25年度と同じとし、条件の相違による状況の違いを比較検討する。
③ ボラード周辺の設えの検討:過去2か年に収集した欧州のガイドライン、および社会実験の実績を踏まえ、「導入ガイドライン」素案を作成する。
④ 欧州諸国の導入都市とのディスカッションおよびヒアリング:フランスやドイツ等の専門家を訪問し、「ハード」と「ソフト」のメリットデメリットについてのディスカッションを行う。また、ドイツにおいてこうした施策の基盤となっていると思われる「道路指定」という法制度についてヒアリングを行う。
※なお、H26年度の取り組みは多岐にわたるため、サブチームを構成して効率的に取り組みを行う予定である。