研究調査
research study
「天下の公道」と生活道路に関する研究 ~ライジングボラードの実用化に向けた工学・法学・心理学からの検討~
プロジェクトリーダー:久保田 尚
年度:2012年, プロジェクトナンバー:H2421
背景と目的
「ゾーン30」がスタートするなど、日本の生活道路の安全対策制度が本格的にスタートしたものの、通過交通対策については未だ切り札が存在していない。その画期的手法として欧米で実施されている、ライジングボラードの日本への導入を実現するため、その効果と課題(一般車を含む緊急時の車両、位置づけ(付属物又は占用物など)、関連法制度等)を整理するとともに、社会実験を実施して日本への適用性を確認する。
期待される成果
(1)文献調査・欧州諸国の導入都市の調査
ライジングボラードを導入している欧州都市について、文献調査及びヒアリング調査(メール、電話、訪問)により、導入までの経緯、効果と課題、課題への対処方法(特に、上述した課題の取り扱い)について調査を行う。
(2)効果と課題の整理、実用的なライジングボラードの提案
上記の調査結果をもとに効果と課題を整理し、日本での実用化に向けたライジングボラードを提案する(緊急時の対応として、非常時には押し倒して通れる「ソフトライジングボラード」を想定している)。課題の検討、実現案の提案に当たっては、交通工学、交通心理、法律面の専門家と共に検証を行う。
(3)社会実験による効果、課題克服の検証
現在、最終調整段階ではあるものの、複数の都市でライジングボラードの導入が検討されている。それらの都市の協力のもと、社会実験としてライジングボラードを設置し、交通調査と意識調査から効果と課題を検証する(実験実施都市については今月中に確定の予定)。