研究調査
research study
香川研究 -事故発生要因の分析と対策への提言
プロジェクトリーダー:蓮花 一己
年度:2013年, プロジェクトナンバー:H2536
背景と目的
本研究の目的は、人口当たりの事故率が全国でもっとも高い香川県を対象にして、地元の行政関係者との共同研究により、香川県で多発する事故の発生要因を明らかにして、安全対策への提言を行うものである。そのために、国際交通安全学会(IATSS)の学際的な人的資源を活用して徹底的な現地調査を繰り返し、実証データに基づいて、事故発生のメカニズムを解明する。
期待される成果
① 文献研究:香川県を始めとして日本各地で過去に実施された事故分析や対策に関する文献を整理して、その変遷を理解するとともに、今後の重点施策への見通しを検討する。
② 事故事例分析:香川県の所有する事故データベースを活用して、事故多発エリアである高松市(高松ブロック)と丸亀市などの中讃ブロックを取り上げて、事故事例分析を行う。
③ 行動調査及び道路環境調査:代表的な事故多発地点での観察調査や現地視察を行い、交通参加者の行動と道路構造や交通状況の特性を調査する。交通コンフリクトやインシデントを引き起こす交通行動および道路特性要因を抽出する。交通行動や道路特性に関する客観的な指標化を通じて、他府県でも活用できる「ものさしづくり」を行う。
④ 面接調査や質問紙調査:必要に応じて、交通参加者や地域住民への面接調査や質問紙調査を実施する。網羅的な内容ではなく、個別の問題に対する具体的な設問を行う。
⑤ 事故防止対策への提言:短期間の研究では対策の実施は困難であるので、対策の提言作りを試みる。人的要因に関わる対策や道路環境整備に関わる対策など短期から中期、長期の区分を行いつつ整理する。