研究調査

research study

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睡眠障害スクリーニングの普及推進を目指した学際的研究

プロジェクトリーダー:谷川 武
年度:2013年, プロジェクトナンバー:H2535

背景と目的

奈良県トラック協会と連携し、奈良県下のトラック運転者、その他の運転者を対象に睡眠時無呼吸症候群(SAS)ならびにSAS以外にスクリーニング可能な睡眠障害のスクリーニング調査を実施するとともに医療機関との連携システムを構築することによってトラック運転者の主観的・自覚的眠気の改善効果を検証する。さらに、医学のみならず、人間科学、心理学、法学、ジャーナリズムの専門家を結集して睡眠障害の早期発見・早期治療を普及推進するための方策を探るとともに、スクリーニング可能な睡眠障害を早期発見・早期治療する社会の実現に寄与する。

期待される成果

H24年度の本研究において、奈良県トラック協会傘下のトラック事業者、トラック運転者、奈良県民にSASスクリーニング検査を今よりさらに周知するとともに奈良県立医科大学呼吸器内科学木村弘教授に依頼して奈良県下のトラック運転者の新規発症SASの治療をSASスクリーニングと連携して実施する体制を構築した。上記と並行して奈良県トラック協会と共同でSAS以外の睡眠障害のスクリーニング問診票をトラック運転者に配布し、SAS以外の睡眠障害のスクリーニングも実施した。H25年度は、これらのスクリーニングで新たに見出されたSASもしくは他の睡眠障害が疑われる運転者に対して奈良県立医科大学関連専門医療機関での受診勧奨を継続し、受診および治療後の運転者の主観・客観的な眠気の改善度を比較することにより、SASをはじめとする睡眠障害全般の早期発見・早期医療が推進される社会システムの構築を目指す。さらに、本研究の社会への還元として以下の項目を実施する。
① 奈良県トラック協会その他の業界団体と連携して奈良県における新たなトラック運転者および事業用車両運転者計1、000人を対象にSASスクリーニング検査を実施し、必要な者には治療を行う。
② SAS治療を受けた者の治療前後の主観的ならびに客観的な眠気の程度を比較する。
③ 啓発活動の継続と全国展開として、奈良、東京で市民公開シンポジウムを開催するとともに、米国の当該領域の第一人者の講演会を全国から産業医・産業看護師が集まる全国規模の学会で開催する。
④ 米国睡眠学会、国際睡眠医療学会等において、世界のトップレベルの睡眠医療専門家から本研究への助言を得るとともに結果に関して議論する。
⑤ 1000人レベルのSASスクリーニング結果から主観的な眠気がなくてもSASの重症度が高い者の割合を明らかにし、学会誌等で公表するとともに関係各機関への提言を作成。

成果物

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