研究調査
research study
交通事故対策効果の評価体系整備に関わる基礎研究
プロジェクトリーダー:大蔵 泉
年度:1998年, プロジェクトナンバー:H047
背景と目的
我が国の、平成10年の交通事故による死者数は9、211人で、平成8年以来3年連続の減少となった。一方、負傷者数は990、675人で過去最悪となったほか、事故件数は803、878件となり、6年連続過去最多を記録した。このように交通事故を取り巻く状況はなお厳しい状況にあり、交通事故を削減するための対策が各機関により精力的に行われている。一方限られた予符内で最大限の交通事故削減効果を得ることを目標として、近年、交通安全対策の実施においても評価の観点を重視する傾向が強まっている。
本稿ではまず交通安全対策の効果評価の現状、問題点、解決法を検討した。特に効果評価を行う上での手法上の問題点として指摘されている「平均値ヘの回帰(Regressionto means)」による分析結果のバイアスの発生について、その解決策として北米で考案された「EmpiricalBayes Method」1)の適用を試みて、従来の評価と比較考察を行ったものである。