研究調査

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XR を活用した事故メカニズムの解明と安全対策~北日本地域での異常気象時を中心に~

プロジェクトリーダー:浜岡 秀勝
年度:2024年, プロジェクトナンバー:2405B

背景と目的

XR(クロスリアリティ)は、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)など、現実社会と仮想世界を融合させる技術の総称であり、交通研究でも急速に活用されてきた。本研究では、異常気象や夜間など通常の手法では状況の再現性が困難な交通状況を取り上げ、事故リスクを高めるドライバ行動や事故発生のメカニズムを検証して、具体的な対策の提言に結び付けることを目的とする。
2023 年度は、冬期の高速道路視程不良時、および一般道交差点右折時における横断歩行者との錯綜環境下での運転支援方策を念頭に、XR 実験による支援評価を行った。2024 年度はその成果をもとに、適用環境の深度化や被験者の拡大(高齢者)、および国際展開を踏まえた異常事象の設定と解決方策の検討など行う予定である。

期待される成果

北日本地域に特徴的な降雪時及び凍結時のドライバ行動の研究を対象として研究し、視界不良時の行動(直進時や右左折時のハザードの見落とし等)を分析することで、その対策案として、見落としたハザードに対する AR-HUD(AR 技術を用いたヘッドアップディスプレイ)や道路上への視線誘導用ガイドライトなど、いくつかの技術的対策をXR 技術で映像化し、それらの効果評価を実施する。XR 手法を用いて、異常気象時の状況を再現し、高齢者や初心者など、質の異なるドライバ集団に幅広く効果を及ぼす対策を短期間で評価できることが本研究の独自性と考えている。この XR 技術は対象とする事象をコンピュータ内に再現するため、適用対象地域としての自由度は高く、国際展開を比較的容易に行えることも特徴である。本研究の成果をもとに、世界のあらゆる異常事象時を対象とした運転者支援方策を確立する。

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