研究調査
research study
自動運転車と共生する社会-その基盤整備に向けた包括的提言
プロジェクトリーダー:今井 猛嘉
年度:2023年, プロジェクトナンバー:2302B
背景と目的
2023 年 4 月 1 日から施行される改正道交法は、レベル 4 での走行を許可する先進 的法律であるが、2022 年度に検討したように改善が望まれる点もある。2023 年 度は、以下に述べる、それら問題点の検討を継続する。即ち、①運転免許不要とされ る特定自動運行主任者により、安全な遠隔監視が可能か、②現場措置業務実施者の事 前配置が必要ではないか、③複数の地方自治体にまたがる高速道路でレベル 4 を許 可する際の基準は具体化されたか、④自動運行装置により制御された車両同士の事故 ではトロリー問題が具体化するが、その検討が国家レベルで進められているか、⑤自 動運行中の車両内で体調不良や怪我をした者への救急医療体制を具体的に構築すべ きではないかが、昨年度から継続して検討されるべき主たる課題である。。
期待される成果
① 大阪市、北海道庁の取り組みという具体例を踏まえ、V2V、V2I 実現への課題と 現実的な対応策(の原案)を提示する。 ② レベル 3 以上の自動運転技術活用の成功例(境町や永平寺町等)から成功の要因 と課題を確認し、これらを整理し、大阪市や北海道等に(ODD の精密化手法等 を)提供可能なものとする。 ③ D-call net をレベル 4 車両の乗員に利用可能にする具体的施策を、関係省庁と 共に検討し、レベル 4 技術利用者の健康確認が可能な体制構築を加速させる。 ④ 及び⑤ トロリー問題の検討を、国際的ネットワークも活用して継続的に検討 し、倫理ガイドラインの原案を作成する。