研究調査

research study

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アジア地域における健康起因事故防止のための普及啓発活動の展開

プロジェクトリーダー:谷川 武
年度:2020年, プロジェクトナンバー:2020

背景と目的

健康障害が起因する重大な交通事故の増加を受けて、国土交通省は健 康起因事故対策検討委員会を設置する等、健康起因事故防止は、交 通事故対策の重要な課題として認識されてきた。申請者らは、これまでに 職業運転者を対象とした実証的研究を行い、健康起因事故の系統的な 対策が遅れていた睡眠時無呼吸症候群(SAS)や視野欠損が交通事 故増加のリスクとなることを報告してきた。また、2019 年度には国内2か 所(東京都、愛媛県)において、本プロジェクトによる知見を紹介するシン ポジウムを開催し、健康起因事故防止の普及啓発を行ってきた。本申請 では、これまでの研究で得られた知見をアジア地域において展開し、健康起 因による交通事故削減に寄与することを目的とする。

期待される成果

本プロジェクトの具体的な対象地域は中国とタイである。両国は近年のグロ ーバル化による東アジアの経済発展に伴い、世界でも有数の自動車大国と なったが、その一方で、交通事故対策は十分とはいえない状況である。ま た、我が国同様、経済発展に伴う社会の変化により、急速な高齢化や、 肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の蔓延等も大きな課題となって いる。このような状況の中、中国やタイでも健康起因事故対策は急務であ るが、その対策はほとんど行われていない。本プロジェクトでは、これまでの研 究成果や我が国における健康起因事故に関する知見や取り組みを、中 国、タイの交通専門家や医療関係者に紹介し、情報交換をすることによ り、アジア地域における健康起因事故防止の取り組みの契機となることが 期待される。

成果物

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