研究調査
research study
≪国際連携≫インド小規模都市群における地域に根ざした計画・デザインの提言と社会実装の取り組み〜持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を視野に?
プロジェクトリーダー:福田 敦
年度:2019年, プロジェクトナンバー:1940
背景と目的
インドの交通事故死者は 15 万人を超え、インド国内の分析では、交通 事故による経済損失は国内総生産(GDP)の 3~5%に相当するとさ れる。これまで、国際交通安全学会では、インド工科大学と協力して、地 域に根ざした安全な都市の計画およびデザインの提言を行ってきた。その内 容には、短期的に対策が可能なものもあるが、大気環境の改善や交通ネッ トワークの改善といった長期的に時間を要するすものも存在する。本プロジェ クトでは、これまで実施してきたインド工科大学との共同プロジ ェクトをもと に、現実に社会実装が可能なものとして、小規模都市(パティアラおよびブ ランシャール)における交差点の安全性向上や円滑性向上に焦点を絞り、 地域に根差した交差点改良の社会実装を行うことを目的とする。
期待される成果
道路の交差点改良は、安全性と円滑性の両面からの改善が必要であり、 高い技術力が求められる。欧米諸国においては、Road Safety Audit (RSA?道路安全診断)の仕組みが取り入れられ、道路管理者や交通管 理者と異なる第三者による道路改良の指摘が行われている。本プロジェクト では、インドの小規模都市における交差点改良の検討を行うことで、現地 の道路交通安全対策の技術力向上が期待できる。さらに、交差点改良前 後で、交通実態調査を実施することにより、交差点対策の効果分析の方 法を示すことができる。さらに、交通事故対策の効果を定量的に把握するこ とで、小規模な都市内の今後の交差点改良の必要性を明示することが可 能になる。このような方法を問題の多い他の交差点においても水平展開し てくことで、インド国内における交通事故の減少や渋滞緩和に寄与できる。