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国際交流部会 International Workshop 2014
International Workshop 2014
国際交流部会企画委員会の活動として、平成25年度は、8カ国の若手研究者の執筆による「交通安全教育・啓発活動」をテーマとしたレポートを作成した。翌平成26年度8月には、レポート内容に基づく国際ワークショップを開催し、執筆者相互、及びIATSS関係者との意見交換を実施した。その後、国際ワークショップでの議論をベースにさらにレポート内容を充実させ、3月に最終レポート(日英版)として公開した。
討議内容 一部抜粋
免許更新制度
- 優良運転者に対する講習が短時間であるのに対し、違反者のみに長時間の教習を行うため教習が罰則のようになっている。(日本出席者)
- 台湾では時間とコスト節約のため、優良運転者には手続きが簡易で済む仕組みとなっている。(台湾執筆者)
→更新手続きを簡素化する等、優良運転者奨励のためのインセンティブにはメリットがあるが、ドライバーの適合性を評価する機会として、免許更新の実施についても認識をすべきである。(台湾執筆者) - 違反や事故にあうことは稀であるため、それを起点に教習時間を変えるのはおかしい。(UK執筆者)
高齢運転者
- 過去の違反歴に関わらず同じような講習をしているが、加齢に伴う能力低下を考慮し、少し変えていく必要がある。(日本出席者)
- 年齢別に考慮して、高齢運転者のニーズを把握し、支援する安全教育コースのような総合的な教習方法の開発は良いアイデアである。(台湾執筆者)
- ドイツでは高齢運転者の免許更新の必要性につき、以前から議論となっている。もし政府が免許更新制度を導入すれば、高齢運転者の研究において教習参加後の運転技術向上が目に見えて現れるだろう。(ドイツ執筆者)
- フィンランドでは、多くの高齢者が自身で運転を辞め「自主引退」するため、高齢が理由での事故リスクは少ない。但し、引退後に自転車を利用するようになり、事故にあうといった新たな問題も出るとの懸念がある。(フィンランド執筆者)
交通安全(子供向け)
- ドイツでは道路安全に携わる機関が安全教育キャンペーンの構想を提供している。
BASt(Federal Highway Research Institute )が通学路マップ作成のためのガイドラインを発行。(ドイツ執筆者) - 自然災害の多い日本では、通学路マップに加え、災害時の安全も重視したマップの策定を実施。(日本出席者)
- UKの一部地域では、お揃いのジャケットを着たボランティアと共に子供達が通学路を歩く「ウォーキングバス」を導入し安全は担保されているが、子供自身が安全に対する自分の責任について学ぶ機会を奪っているとの懸念あり。(UK執筆者)
- Jing Chuan Child Safety Foundationが作成したチェックリストが学校へ提供され、これを用いて道路周辺環境や児童の通学路の安全性を調べることが出来ます。(台湾執筆者)
また、学校と通学路沿いの商店とが連携して緊急時に子供たちを支援する体制がある。(台湾執筆者) - 幼少期の交通事故削減の試みとして、インドネシア交通警察は子供向け教育訓練施設として大都市数箇所に交通公園を設けている。(インドネシア執筆者)
交通安全(自転車)
- 日本では自転車の交通ルール等の教育があまりなされておらず、近年では自転車事故が増加傾向にある。(日本出席者)
- テレビ等、公共メディアで自転車利用者に向けて啓蒙を図っているが、罰則はない。(中国執筆者)
- 自動車運転免許システムの場合のような教育制度は特に設けていないが、警察がサイクリング・ガイダンスを9~10歳の小学生向けに行っている。
- ドイツではインフラ不備が原因の事故が多い。自転車用道路の整備や見通しが良い等、インフラが整っている場所ほど自転車事故の件数が少ない傾向にある。(ドイツ執筆者)
- 自転車の道路交通法があり、教え方にバラつきはあるものの、主に小学校等で教育をしている。(フィンランド執筆者)