research study
車成熟社会での市民・自治体と交通警察のあり方に関する研究
背景と目的
現在、わが国の各地で日常的に見られる違法駐車、違法駐輪問題、バスレーンでの駐停車など身近な道路での交通整序化に対しては、従来のような対応では限界があることを示している。モータリゼーションが進展した中で、自動車交通問題に適切に対応していくためには、道路、駐車場の盤備と合わせて、その有効な活用に向けて交通運用の仕方、交通警察の仕組み、など全体的に見直していく必要があろう。車社会先進国の欧米都市をみると、交通管理技術にさまざまな工夫が見られる。特に、路J::駐車対策に関しては、市民・自治体の参加と交通警察との協働、民間事業への受託(PFI)、ITS技術を活用した交通管理手法など興味深い事例が見られる。
そこで本研究では、最も身近な課題である路上駐車の整序化を題材として、車成熟社会に相応しいインテリジェントな道路交通マネジメントをどのように推進するかについて、提案していこうとするものである。
具体的な研究目的は以下の通りである。
・交通整序化における市民・民間の役割、参加の現状と課題
・交通警察と市民・自治体の協働についての提言
期待される成果
研究方法は、わが国の現状と課題を分析、検討すると共に、欧米の経験について文献レビューし、先進事例の現地調査とヒアリングを行い、わが国への適用について検討することにした。また、わが国の交通警察担当者をオブザーバーとして参加をお願いして、研究会での討議に加わっていただくことにした。当初の研究計画は以下の通りである。
1.欧米自動車先進国についての経験に学ぶ
ー交通警察の現状・仕組み
ー駐車マネジメントを中心に仕組みの経験と現状
一欧米主要都市でのヒアリング、現地訪問調査
2.交通整序化への技術革新の導入の可能性
一路上駐車管理の近代化
一ITS技術の展開可能性
3.ベストプラクティスの発掘と分析:事例分析(日本)
ー商店街・駅前での交通整序化の成功例
ー住宅地(コミュニティゾーン、スクールゾーン)での交通整序の成功例
ー協働の仕組み、プロセス、参加者とその役割分担