研究調査
research study
アクセルとブレーキの踏み違えエラーの原因分析と心理学的・工学的対策の提案
プロジェクトリーダー:篠原 一光
年度:2011年, プロジェクトナンバー:H2305
背景と目的
最近、アクセルとブレーキの踏み違えるによる事故がしばしば報道され、その原因と対策について社会的関心が向けられつつある。しかし、この「踏み違えエラー」について、これまで十分な研究がなされているとは言えず、踏み違えエラーを誘発する要因とは何か、またどのような属性のドライバーが踏み違えエラーを起こしやすいのかという点は不明である。また、エラー防止のための適切な対策を提案できていない。そこで本研究ではこの踏み違えエラーへの有効な心理学的・工学的対策を提案するための第一歩として、このエラーが起こるメカニズムを心理学的側面、工学的側面から解明することを目的とする。本研究は事故実態の解明と、基礎心理学的実験による実験室内実験を主たる方法として行う。
期待される成果
① 事故実態の解明:踏み違えによる事故がどのような状況で発生しているかを、各種資料の分析により行う。
② 基礎心理学的実験:実験参加者に提示される信号に従っての足での反応や、加減速操作に対応する足での操作を求める単純な実験課題を行う。踏み違えに結びつきうる状況的要因(例:運転姿勢、ペダル踏み動作、行動意図(例:「急ぎ」)、注意散漫)や個人的要因(例:年齢、性別)を実験条件として導入し、踏み違えエラーが発生し易くなる要因を特定するとともに、踏み替えエラーが生じる心理学的・生理的プロセスを解明する。
③ また、可能であればドライビングシミュレータ(DS)を利用した実験を実施し、上記の基礎心理学的実験で得られる踏み違えを規定する要因を導入した場合、より実際の運転に近い状況でも踏み違えエラーが誘発されるのかを検討したい。