研究調査

research study

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飲酒運転に関する調査研究

プロジェクトリーダー:浅井 正昭
年度:1986年, プロジェクトナンバー:57

背景と目的

ここ十数年来、全交通事故に占める飲酒運転による事故の割合は、指導?取締り・広報活動等の強化により徐々に減少しているが、飲酒運転による死亡事故は、依然として全死亡事故の8~9%を占めている。
また、飲酒運転は、最高速度違反、脇見運転についで主要な死亡事故原因となっている。
『飲んだら乗るな、飲むなら乗るな』というスローガンはほとんどのドライバーが一度は耳にしているだろうし、また、アルコールの運転に及ぽす生理的影響については、数多くの調査・研究が実施され、広くその結果が公表されている。飲酒運転で検挙された場合、かなり厳しい罰則が適用されることも一般に広く知られているはずである。おそらく飲酒運転者は、その違法性、危険性を十分承知して飲酒運転を行っていると思われる。それでも、なぜ飲酒運転をするのであろうか。
たとえば、現実には『いったいどれだけのドライバー、ライダーが飲酒運転をしており、その飲酒量はどの程度なのだろうか?』といった飲酒運転の実態については、取締りによる検挙件数、交通事故統計によって明らかにされているのみである。
この背景には、ドライバーの心理、社会慣習、車の利便性、車の利用形態など様々な要因が複雑にからみあっており、飲酒運転を減少させるための単なる規制。取締り。罰則の強化だけでは、飲酒運転の抑止は難しいと思われる。
本研究では、このような認識の下に、飲酒運転の実態を把握し、運転者の飲酒運転に対する意識を探るこことによって、運転者の心理的側面、飲酒運転を助長する社会的側面などについて広範な視点から検討し、総合的かつ長期的な飲酒運転抑止に対する方策のあり方を探ることを目的としている。

期待される成果

本研究では、前述の目的にそって以下に示す諸調壺によって飲酒運転の問題にアプローチしている。
(1) 飲酒運転の実態調査(資料提供:警察庁交通局)
・通行車両の運転者の飲酒量(アルコール呼気濃度(mg/I))に関する調査分析
(2) 飲酒運転をめぐる意識調査
・飲酒運転に対する意識(調査。 I)
・飲酒運転の悪質性に関する意識調在(調査。 II)
(3) 飲酒運転者のケース・スタディ
・市原刑務所収容者の例から

成果物

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