研究調査

research study

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Road Pricing の研究

プロジェクトリーダー:太田 勝敏
年度:1988年, プロジェクトナンバー:269

背景と目的

ロードプライシング(Road Pricing)とは、シンガポールにおける都心乗り入れ賦課金、香港の実験における直接賦課金のように、特定の道路利用に対して直接的に料金を課すことによって、自動車交通量をコントロールする手法である。これは、従来の道路莉用ルールが、無料公開で先着順であったのに対して、潜在的利用者の支払い意思に基づく自由選択という新しい利用ルールに基づくもので、「道路刹用の市場化」とも言える考え方である。
ロードプライシングは、経済理論としては混雑税として出発したものであり、基本的理論は整理され、精緻化されてきている。しかし、具体的な実鹿や実験に際しては、理論の前提とする考え方、理論の適用可脊酎性、具体的な説得力が問題となっている。最近では、交通行動分祈理輪や手法の発達による交通需要特性の把握、あるいは路車間通信等の新技術による料金自動徴収システムの実用化が進んでおり、ROADPRICINGの技術的可能性が高まってきており、外国において導入を検討する事例が増加している。一方、わが国においては、過去、石油ショック後、環境対策・エネルギー対策として検討された経縫があるが、最近再び、大気汚染、道路渋滞の進行などにより自動車交通量コントロールの必要性が指摘されてきており、自動車交通抑制手法の一つとして、ロードプライシングの意義について評価しなおす時期にきている。
そこで、本研究は、ロードプライシングの現代的な意義、交通政策手法としての潜在的な適用分野と方法を整理・検討し、社会的に受け入れられるシズテムとしての課題について、理論と追用の両面から検討を加えたものである。研究にあたっては、文献資料の収集、現地蒻査とヒアリング等によってこの分野における世界各地の経験・展開、最新の動向をできるだけ把摺して、整理、分析を心掛けた。
本報告書は、経済学におけるロード・プライシングの理論的展開を整理した第1部と、都市交通政策の視点からその適用性と課題について検討した第1部から溝成されている。
また、関連する基本的な英文文献について資料として巻末に抄緑した。また、ロード・プライシングについての古典と言うべき英国のスミード・レポート(1964年)については、新たに全訳して別冊資料として取りまとめだ。(なお、本研究の一部は、昨年12月発行の国際交通安全学会誌IATSS Reviewの「特集:ロードプライシング」の中に3糎の論文として掲載されている。)

成果物

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