研究調査
research study
啓発動画を活用したアジア地域における健康起因事故防止の普及活動の展開
プロジェクトリーダー:谷川 武
年度:2024年, プロジェクトナンバー:2422A
背景と目的
健康障害が起因する重大な交通事故の増加を受けて、国土交通省は健康起因事故対策検討委員会を設置する等、健康起因事故防止は、交通事故対策の重要な課題として認識されてきた。申請者らは、2020 年度の社会貢献プロジェクトにおいて、睡眠時無呼吸症候群ならびに緑内障に関する健康起因事故防止のための啓発動画を作成し、さらに、国内外で普及するため、英語、タイ語、中国語版の作成も行ってきた。これまで、国内では全国の警察署や運輸関連企業等、国外ではタイで啓発動画の利用とともに動画視聴後のアンケート調査を行ってきた。本プロジェクトでは、本啓発動画を活用し、国内外でより一層の普及活動を展開し、健康起因による事故の防止に寄与することを目的とする。
期待される成果
本プロジェクトでは、これまでに制作した啓発動画を活用し、健康起因事故防止普及活動を展開する。具体的には、国内の様々な運輸事業関連企業や教習所等にSNS 等による広報活動を行い、更なる利用促進を図る。2023 年度は、自動車事故対策機構・トヨタモビリティ基金・東京都医師会他、全国各地のバス会社から動画の使用依頼があった。こうした要望に効率よく対応するため、IATSS ホームページに申し込みサイトを設ける等、利用時の事務手続きを簡略化し、より効率的な普及を図りたい。また、国内ならびに国外で啓発動画を用いたセミナーを行い、健康起因による事故の防止に寄与していきたい。国外については、以前のプロジェクトで連携のあるタイを候補地とする。達成基準については、YouTube の動画再生回数、利用団体数等を用い、過去の実績から具体的な数値目標を設定し、評価する。上記の活動により、国内外における健康起因事故防止の更なる普及啓発が期待できる。