研究調査

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都市はウォーカブルになるべきなのか? -データに基づく分野横断的議論-

プロジェクトリーダー:村上 暁信
年度:2024年, プロジェクトナンバー:2414B

背景と目的

今日のまちなか整備で「ウォーカブル」は絶対的な善として位置づけられ、先進事例の紹介とともに、より歩きやすくするための工夫が数多く提唱されている。しかし、本当に都市はウォーカブルになれば良いのだろうか。本研究はこの問題意識に立ち、「ウォーカブルだと何が良いのか?」「万人にとって良いものなのか?」「現在のウォーカブルの取り組み(制度・ガイドライン)は最善なのか?」「弊害は無いのか?」「ウォーカビリティ向上は他の交通モードにどんな影響をもたらすか?」の5点に注目する。主にメンバーが実測から取得するデータをもとにして、多様な背景を有する会員をゲストとして招いて議論することで、今後のウォーカブル推進において考慮すべき点を抽出し、より良好なまちなか空間の創出手法を構築することを目指す。

期待される成果

「何が良いのか?」「万人にとって良いものなのか?」の2点については、提案者がこれまで関わってきている丸の内ストリートパークなどを対象に、利用実態、利用者の生理データ(※個人情報の扱いについては所属大学の倫理委員会で承認を得る)、などを入手して議論する。昨年度の検討で、全体では屋外空間利用の効用(リラックス効果)は見られないが、直前24 時間の睡眠状態が良好な被験者では有意にリラックス効果が得られることが示唆されている。多様な調査データは類似事例では取得されていないものであり、先見性を有した議論ができる。残りの3点については、国土交通省の担当者を招いて議論を行う他、国内外の現地調査結果を通じて議論を深める。弊害については熱中症リスクなどにも注目しつつ、国内外で調査を実施して議論する。これらの議論を通じて、居心地のよい空間づくりについて画一的ではない空間像を提示できるとともに、整備上の留意点など、今後の施策展開に実際的に貢献できる知見を得ることができる。

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