research study
協調的幸福感を高める交通社会の共生設計の試みーサステイナビリティから豊かさを備えたリジェネレーションへ
背景と目的
近年「World Happiness Report」の測定にbalance&harmonyが追加されるなど協調的幸福感の要素が重視されており、包括的幸せとしてのwell-being の向上が目標とされている。交通に目を向けると、個人の自由や自己実現を求める獲得的幸福を追求する自動車社会から、シェアリング交通やMaaSによる「移動具・サービス(mobility measures and services)」の共有・利用社会への転換の兆しが見られる。しかし、それが普及し主流化する道筋や条件は明らかではない。
本プロジェクトは、移動具・サービスの共有と共同化(多様性を維持し束ねること)がwell-beingを向上させる条件と効果を明らかにすることを目的とする。これは、新技術の経済的価値に基づく普及条件を明らかにすることに止まらず、自然条件、地域、人々の状況に対して、共有・共同化がもたらしうる協調的幸福感、さらにはwellbeingの向上に果たす効果を捉えるものであり、これを通じて交通社会の共生設計の試案を示すことを目指す。
期待される成果
自然条件、地域、人々の状況に対して、多様な交通技術・サービスの共有と共同化、あるいはそれらの技術の実装パターンを検証し、技術導入の可能性と協調的幸福感およびwell-beingの向上効果を把握することを最終目標とする。移動に関わる次世代技術は幅広いが、まずは蓄電池とライドシェアリングを対象に、共有化の方法論と効果、その受容性、および普及の阻害要因を洗い出す。その過程で、他の共有技術・サービスについても調査する。特に財・サービスの共有に対しては地域や世代で価値観が異なると考えられ、価値のギャップを埋める共生の仕組みを考察する。
このように、共有・共同化が生み出す技術と社会の共生的進化の可能性を捉えようとする点で、本提案は先見的であり、また具体の技術開発や普及施策に貢献しうる点で実際性を有する。具体的には、蓄電池の技術制約を前提とした利用、ライドシェアリングに対する受容性の地域、世代による相違を把握し、それらのギャップを乗り越える交通社会の共生設計とwell-beingの向上効果を計測する。