research study
ウェルビーイングの実現を目指す新たな二輪車ブランディング
背景と目的
SDGs のテーマである持続可能な環境社会を目指す中で、個人の自由な移動の実現とその質の 向上が求められている。その実現には、多様な交通手段を目的に適して使い分けて利用できる ことが望ましい。現在、世界的に二輪車はパーソナルモビリティとして無視できない交通分担 を担っているが、四輪車の自動・電動化、電動キックボードなど新しいパーソナルモビリティ のカテゴリの普及、MaaS などトータルモビリティサービスの考え方など改革期が来ている。 この大きな情勢変化を捕らえ、ウェルビーイング(幸福で肉体的、精神的、社会的に満たされ た状態)を実現するための二輪車の新たな価値観の創成とその役割を社会に提案することを目 的とする。
期待される成果
二輪車を取り巻く環境は、免許無しで公道利用出来る電動キックボードやアシスト自転車の普 及、CO2・騒音対策に向けた EV 化により末端パーソナルモビリティの使われ方や交通分担率 などが大きく変化する可能性がある。これらの技術開発やルールの議論は多くされているが、 例えば、多様なモビリティの中で、どのような場面でそれぞれの車種や方法を利用することで ウェルビーイングを実現できるか?また、そこで発生する分野間のトレードオフをどこで妥協 するかなどの議論は少ない。本提案では、分野横断的な現況・トレンド調査を通じて問題を明 示化し、例えば、本格的電動化移行時の運転行動変容の予測と検討事項、交通限界地域での利 活用、安全教育の機会創成、MaaS 内での多様なパーソナルモビリティの最適選択法(単に早 く目的地に着くだけでなく、移動の質や積極的に二輪車に乗って幸せな時間を作りたいなど、 二輪車移動の目的を創成)の検討・提案などを通して、ウェルビーイングの実現のために二輪 車が担う新たな価値観を提案する。