research study
SDGs達成に向けた健康資本増進による豊かな地域の創出
背景と目的
【背景】人口減による地域の疲弊は、特に都市部よりも地方において顕著な社会課題となっている。元来、地域は独自の地域資源を持ち、その特徴を生かした産業で経済的にも自立していた。本提案の別府市等の温泉地は、人口減、観光客の減少による地域経済の疲弊が起こっている。地域の課題は国全体の課題の縮図であり、疲弊した地域の地域資源を生かし、健康面の改善、ワークスタイルの改善に着目した新たな価値づけによる地域の活性化は全国の同様の課題の解決に役立つもものと思われる。市をあげて市民にとっての交通体系を健康かつウェルビーイングに資する事が課題である。【目的】別府市と別府市旅館ホテル組合連合会、そして九州大学都市研究センターが連携して、別府温泉の免疫力を高める(=適正化)効果を医学的に実証(テーマA)し、療養型メディカルリゾートとして別府温泉全体を活性化する(テーマB)ことを目的として共同研究を開始している。本プロジェクトで、更に別府市はもとより、他の温泉地域も含めて行政と連携して、温泉地(自然資本)を活用して、健康(健康資本)に資する交通・まちづくりの在り方と地域ごとの取り組みを進める。テーマA:サンプルデータ収集・分析、論文発表。テーマB:訪問者数10%増(1年目)15%増(2年目)、市の健康価値10%増(2年目)15%増(3年目)
期待される成果
地域資源の科学的根拠を実証し、適切に活用することで、地域や来訪者の健康を増進し、地域の活性化と人的資本の増進を推進する。これまで、別府等の温泉地は世界でも有数の地域特徴であり、温泉は主要な観光資源だった。しかし昨今、観光地としての需要が減り、その一方で高齢化・人口減という日本全国が抱えている問題にも直面している。市において重要な地域資源である温泉が体によいという認識はこれまでされてきたが、医学的に立証できていなかった。地域活性化及び健康への寄与は、観光客だけではなく市民にとっても大きな希望を持てるものである。別府市長野市長と交通体系も含めて市民に使いやすく、更に市の健康・ウェルビーイング向上に役立つ方法を共に検討し、更に他の温泉地域のまちづくりに資する提案を行う。