award
第28回 平成18年度(2006年)
業績1
業績題目
伊予鉄道を中心とした地域経営への貢献
受賞者
伊予鉄道株式会社
受賞理由
伊予鉄道は、地域の足として、鉄道、路面電車、バス輸送を展開する地元唯一の民営運輸事業者で、多くの地方都市同様、利用者減少による収益の悪化に陥っていました。平成13年から半年ごとに集中実施する「サービス向上宣言」を行い、坊ちゃん列車の復元をはじめとする数々の施策を導入し、全事業とも利用者数の増加につなげました。そして、平成16年からは、行政や住民と連携を図った「いきいき交通まちづくり宣言」を展開し、「坂の上の雲」まちづくり事業の支援などを通して施策を推進しています。地方都市の多くが、中心市街地や公共交通の路線網の衰退という大きな問題を抱えている中で、地域の民営運輸事業者である伊予鉄道が、大幅な方針転換を図り、利用者増の持続という成果を得るとともに、行政と連携して地域の発展や地域経営に貢献している姿勢は高く評価でき、これからの地方都市での交通そしてまちづくりの方向性のひとつを示しているといえます。
業績2
業績題目
多様な展開の可能性を秘めたシームレスな交通輸送機関~デュアル・モード・ビークルの開発~
受賞者
北海道旅客鉄道株式会社
受賞理由
JR北海道では、地域公共輸送サービスの提供と、不採算路線による経営の圧迫という困難な課題を抱えており、その解決のために従来の発想を変えた、鉄道線路と道路の両方を走行可能な、シームレスなシステムの検討が行われました。JR北海道におけるデュアル・モード・ビークル(DMV)の開発は、平成11年に技術的検討が始められ、平成16年にはプロトタイプ車両が製作され、短時間で線路と道路の切替えが可能なモードインターチェンジ技術等の多くの技術開発によって課題を解決すると共に、実用化に向けた基準の整備、認可の為の調整などの努力により、平成19年4月14日から試験的営業運行の実現に至りました。省コストでシームレスなDMVは、鉄道の定時性とバスの機動性を併せ持ち、今後の展開に大きな可能性を秘めています。そして、既存インフラを活用した新しい公共輸送手段のあり方を提案するものとして高く評価されました。